副業をやると決めたものの、初日に何をすればいいのか分からず、情報収集だけで1週間が過ぎる——これは非常によくあるパターンです。
副業が続かない原因の多くは、能力ではなく始め方の順序を間違えていることにあります。
この記事では、副業を始めた最初の1か月に何をすべきかを、週ごとに整理して解説します。
最初の1か月の全体像
| 時期 | やること | ゴール |
|---|---|---|
| 1週目 | 環境を整える | 始められる状態にする |
| 2週目 | 小さく試す | 1件やってみる |
| 3週目 | 記録を取りながら継続 | 作業リズムを作る |
| 4週目 | 振り返って調整 | 続けるか変えるか判断 |
ポイントは、1か月目に「稼ぐこと」を目標にしないことです。この期間の目的は、続けられる形を見つけることにあります。
1週目:環境を整える
就業規則を確認する
最初にやるべきことです。副業が「禁止」「許可制」「届出制」のどれなのかを確認してください。社内ポータルか、人事部に問い合わせれば分かります。
許可制の場合、始めてから申請するのではなく、始める前に手続きを済ませるのが原則です。
作業時間を決めて、カレンダーに入れる
「空いた時間にやる」は、やらない日が増えていきます。曜日と時刻を固定してください。
おすすめは平日夜に短く、休日にまとまった時間という配分です。たとえば「火・木の21時から1時間、土曜の午前に3時間」のように、実際にカレンダーへ予定として入れます。
ここで欲張らないでください。週5時間で十分です。少なすぎると感じるくらいが、3か月続く分量です。
お金まわりを分ける
副業用の銀行口座を1つ用意してください。 ネット銀行なら無料で開設できます。
生活費の口座と混ざると、いくら稼いでいくら使ったのかが分からなくなり、確定申告の時期に大変な思いをします。最初に分けておくだけで、後の作業が半分になります。
2週目:とにかく1件やってみる
準備が整ったら、すぐに実行に移ります。 ここで多くの人が「もっと勉強してから」と足踏みしますが、実際に1件やることで得られる情報は、調べ物10時間分を上回ります。
最初の1件は「小さく・早く」
副業のタイプ別に、最初にやることの目安です。
| タイプ | 最初の1件 |
|---|---|
| ライティング | クラウドソーシングで単価が低くても1件納品する |
| デザイン・動画 | 架空の題材で作品を1つ作り、実績として公開する |
| ブログ | 完璧を目指さず記事を1本公開する |
| 物販 | 自宅の不用品を1つ出品して、売れるまでを体験する |
共通するのは、「最後まで一巡させる」ことです。応募から納品、公開、入金まで通してみると、想像していた工程と実際の違いがはっきり分かります。
単価は気にしない
最初の数件は、時給換算すると驚くほど低くなります。それで正常です。
実績ゼロの状態がいちばん苦しく、評価が数件つくと途端に応募が通りやすくなります。最初の数件は「単価」ではなく「実績を作るための投資」と割り切ってください。
3週目:記録を取りながら続ける
2件目、3件目と進めながら、記録を取る習慣をつけます。
記録すべき3項目
- 収入:日付、案件名、金額
- 経費:日付、内容、金額(領収書も保存)
- 作業時間:何にどれだけかかったか
表計算ソフトで十分です。専用ツールを探す時間があるなら、まず記録を始めてください。
収入と経費の記録は、確定申告のために必要になります。副業の所得が年間20万円を超えると原則として申告が必要ですが、この20万円は「収入」ではなく「収入から経費を引いた所得」で判定します。経費の記録がないと、払わなくてよい税金を払うことになりかねません。詳しくは会社員の副業と税金|「20万円の壁」の正しい意味をご覧ください。
作業時間の記録も重要です。実際の時給が見えると、続けるべきか変えるべきかを冷静に判断できます。
4週目:振り返って調整する
1か月経ったら、記録をもとに振り返ります。見るべきは次の3点です。
1. 決めた時間を守れたか
守れなかった場合、原因は意志の弱さではなく時間設定の無理であることがほとんどです。
「平日夜21時から」が守れないなら、朝に変える、休日だけにする、時間を30分に減らす——自分を変えるより、設定を変えるほうが確実です。
2. 苦痛ではなかったか
作業中に強い苦痛を感じていたなら、その副業は続きません。「楽しい」まで求める必要はありませんが、「淡々とやれる」ことは必要条件です。
ここで合わないと感じたら、1か月で見切りをつけて別のタイプを試すほうが健全です。1か月試したという事実自体が、次の選択の材料になります。
3. 本業に支障が出ていないか
睡眠時間が削られている、本業でミスが増えた、体調を崩した——ひとつでも当てはまるなら、作業量をすぐ減らしてください。
副業はあくまで本業の収入基盤があってこそ成立します。本業を崩してまでやる価値のある副業は、ほとんどありません。
最初の1か月でやらなくていいこと
逆に、この時期に手を出す必要のないものも挙げておきます。
- 高額な教材やスクールへの申し込み:まず無料の情報と実践で十分です。必要性が見えてから検討してください
- 開業届の提出:所得が小さいうちは急ぎません。事業として軌道に乗ってからで間に合います
- 高性能な機材の購入:手持ちの環境で始めて、足りないと実感してから買うほうが失敗しません
- SNSでの発信:実績がない段階での発信は労力に見合いません
共通するのは、「稼ぐ前にお金と時間を使う行為」です。この段階で必要なのは投資ではなく、実際にやってみることだけです。
まとめ
- 1週目:就業規則を確認し、作業時間をカレンダーに固定し、口座を分ける
- 2週目:単価を気にせず1件を最後までやり切る
- 3週目:収入・経費・作業時間を記録しながら継続する
- 4週目:時間を守れたか、苦痛でないか、本業に支障がないかを確認する
最初の1か月の目標は、稼ぐことではなく「続けられる形を見つけること」です。ここで無理な設計をすると、どんなに有望な副業でも2か月目には止まります。
まずは今週、就業規則を確認してカレンダーに予定を入れるところから始めてみてください。

